新車購入時に提案されることの多い「ディーラーコーティング」は、保証期間が長く、メーカー公認の安心感がある反面、その中身をよく確認せずに契約してしまう人も多いのが現状です。ディーラーで施工されるコーティングは、CPCやQMIなどのメーカー系ブランドが中心で、保証期間はおおむね3年から5年。とはいえその実態は「条件付き保証」であり、すべてが無償補償されるわけではありません。
まず、ディーラー保証の中でよくある「誤解」と「注意点」を整理します。
ディーラー系コーティングの主な誤解と注意事項
- 「保証があるから剥がれても無料で直してくれる」は誤解
- メンテナンス不履行や不適切な洗車方法は保証対象外
- 再施工が無料になるのは“特定条件を満たした場合のみ”
- コーティング証明書の紛失は再施工対応不可になる場合あり
- 保険修理との併用はケースバイケース(要確認)
ディーラーが扱うCPCプレミアムコーティングでは、納車時に「保証書」「施工証明書」が発行されますが、これらがないと再施工や補償が一切受けられません。また、鳥フンや花粉、黄砂などの自然要因による汚れや劣化については、基本的に「保証対象外」となっているケースがほとんどです。
施工証明書には、施工日・施工部位・保証条件・施工業者などが明記されており、これを保管しなければ保険会社にも提出できず、万が一の事故補修時に困る可能性があります。「コーティング証明書 もらってない」といった声も散見されるため、納車時には必ず内容を確認し、データでも保管しておくのがベストです。
さらに注意すべきは「コーティングメンテナンスの義務」です。ディーラーによっては、年1回以上の定期点検を受けていないと保証が失効する場合があり、その内容は明確に説明されないことも少なくありません。これらの費用は、あくまで保証を有効に保つために必要な「追加コスト」であり、施工料金に含まれていない点も押さえておきたいポイントです。
最後に、事故や修理が発生した際に「事故 コーティング部分」や「事故 コーティング代」は車両保険で補償されるのかという疑問に対しては、基本的に「元のコーティング業者から施工証明書があれば、保険適用可能」となります。ただし、保険会社によって条件が異なるため、事前に確認が必要です。
純正・ディーラー系の保証を選ぶ際には、以下の点を必ずチェックしましょう。
- 保証期間と対象範囲
- 再施工・補修の条件
- 定期メンテナンスの内容と料金
- 保険対応の有無と証明書の管理義務
これらを把握せずに契約してしまうと、「5年保証なのに実質的には1回も補償が受けられなかった」というケースにもなりかねません。ディーラーで施工するからこそ、契約内容を明文化した保証書・施工証明書を基に、冷静に判断することが重要です。読者自身の車両管理スタイルや保管環境に合わせて、無理のない保証制度を選ぶことが、カーコーティングを長持ちさせる最短ルートと言えるでしょう。